来年度に向けた卒論テーマの参考例

本日は、都市計画系卒論説明会でした。たくさんの方々に来ていただき、大変ありがとうございました。
配布した資料と重複しますが、有賀研究室での卒論テーマの参考例を紹介いたします。もちろん、新B4生からのテーマの提案なども大歓迎ですので、相談会の場でどんどん企画立案ください!

1. 人間環境と都市デザイン論 International Comparative Studies of Urban Design with Human Interactions

人間が中心となる魅力的な都市空間には、それぞれ固有の居住空間や生業の場所など特徴的な空間資源がある。多様な民族、社会、宗教、文化の差異を越え、人間環境としての空間や形態に着目し、国内外の都市における調査研究の比較を通して、多様な交流が進む市民社会時代の居住地設計論や、歴史・文化的空間の継承と都市更新の両立を可能とする設計・計画論に関する調査・研究を行う。(海外都市・地域との国際比較研究。パブリック・コミュニケーション力を強化。)

▪タイ・バンコク市:河川流域の市街地アーキタイプと水系コミュニティの保全・再生研究、イタリア・トリノ市:スローフード運動を基点とする地域農業の再生と地域計画・デザイン研究、都市の既存ストックを活用した「農」のあり方と空間像に関する調査研究ほか

2. 居住地設計と地域マネジメント論 Human Settlements and Urban Management

都市・集落のインナーコミュニティ再生や市街地と都市農地との一体再編、それらを繋ぐ水系ネットワークや緑地・ランドスケープの再生を通した「生態有機都市」(2013,有賀)型の地域マネジメントの計画と方法について研究する。GIS、衛星画像解析、対話型まちづくりデータベース、3D デザインシミュレーション等の手法を駆使し、市民・住民協働による地域マネジメントの方法論と空間計画の研究を行う。(自治体・広域行政との協働によるまちづくり情報の視覚化と市民まちづくり支援技術の開発。)

▪福島県白河市:城下町の歴史的風致の維持・利活用と住生活まちづくりの相互デザイン研究、石川県穴水町:沿岸集落の風景保全と空き家利用を通した住環境まちづくり研究ほか、福井県永平寺町:白山信仰と一体となる歴史風土、九頭竜川の水景と連携する市民空間の計画研究、次世代スマートモビリティを活かす地域まちづくりデザインに関する調査研究、歴史・文化遺産の維持と利活用を通した地方都市再生まちづくりの研究ほか

3. 市 民 社 会 時 代 の イ ン ナ ー コ ミ ュ ニ テ ィ ま ち づ く り 論Inner-Community Renovations and Housing Pluralism

伝統的な地割り基盤の上に多世代が共生可能なインナーコミュニティの将来像構築のため、持続的な住生活まちづくりの空間更新、福祉・減災などの機能融合、共同化などまちづくり事業に着目したインナーコミュニティ再生研究を行う。住民・市民協働ワークショップによる小規模なインフィル型ジェントリフィケーションとそれらの連鎖プログラムの社会制度の研究開発を進める。(住民地権者等との協働ワークショップ。建築から地区スケールの幅広い空間サーベイ・提案力の強化。)

▪東京駒込:斜面住宅市街地の景観保全・形成と住み続けるための共同建替えプログラム研究開発、トリノ:都市のエッジに広がる外縁市街地の再生と生活環境都市の計画研究、大都市インナーコミュニティにおける選択可能なまちづくり研究、人口流動時代の市民交流拠点のあり方と設計計画に関する研究提案ほか

4. 近代~戦後復興期~現代へ繋がる都市変容と計画史研究Urban Morphologies and Histories of Contemporary Cities

都市の歴史的な形成過程を形態面から詳細分析し、市街地変容の背景や要因となった歴史的イベント、計画思想、社会制度、建築家や都市計画家の役割、影響などを解読して、経済的視点に偏らない歴史的・文化的価値を踏まえたまちづくりの将来像と実現プロセスを、地域住民自らが能動的に選択可能なまちづくりの計画論として提示する。(戦後復興期の観光都市構想や、公園緑地による環状緑地帯構想など、観光、ランドスケープなど学際的な調査研究)

▪軍港都市(横須賀市、四日市市ほか)の戦後復興プロセスから新たな都市像の立案へ▪湘南地域:別荘建築文化が創り出す街並みの修景、保全と担い手組織の研究ほか

5. 多様な市民文化・芸術活動の交流拠点形成とコミュニティ建築論Center for Citizens’ Activities and the Community Architecture

全国の100 万都市や30 万都市における局所的な人口減少や非持続的な空間更新は、地域コミュニティの蚕食的な空洞化を引き起す。多様な市民活動の支援と相互連携の拠点機能を有し、かつ中心市街地全体のプロモーションに繋がる公共空間計画と中心市街地のスマートグロース(成長管理)の設計・計画論を研究する。(多世代・多地域間の相互交流の拠点形成と公共空間デザイン、公民連携による公共空間の設計・管理・運営までの計画編集力。)

▪三重県四日市市、埼玉県志木市:市民活動支援・交流の拠点形成(公共空間と施設)の基礎調査からコミュニティ建築の基本計画づくり、鉄道駅前広場計画と中心市街地の再生計画研究ほか▪新潟県十日町市;越後妻有トリエンナーレの文化・芸術活動と地方集落地域の持続可能性、交流人口・流動人口の参加・協働による都市デザイン方法の可能性研究

6. 大規模住宅団地の再生と地域まちづくり論 Re-Vitalizing Large-Scale Housing Estates and the Innovative City Improvements

高度経済成長期に建設された既存の大規模住宅団地や民間施設は建替えや再開発の時期を迎えている。空間の高度利用のみに留まらず、公共的な都市基盤や超高齢化時代に求められる福祉・医療サービス機能の創出と複合などを通して、地域まちづくりを先導する中核プロジェクトとなり得る可能性が高い。地域まちづくりの立場から大規模再開発事業の効果検証と今後のプロジェクトへフィードバック可能な設計・計画・事業面のガイドライン策定へ向けた調査研究を行う。

▪東京都江東区大島団地、稲城市百草団地など:生きがい(ウェルビーイング)をテーマとする団地再生の調査研究と計画提案、多文化交流が生み出す新たな団地の魅力とウェルビーイングの創出に関する研究ほか

 

参考例は以上になります。
本年度も沢山の方々からの連絡を心よりお待ちしております!